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[2014/12/11]

歌の力⑤ 退院後の暮らしに募る不安 健康・医学

認知症 89 歳の母との日々

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  • 連載コラム

入院から3週間ほど経過すると、母の体の状態はだいぶ良くなり、歩く練習も始めました。主治医から「そろそろ退院していいですよ」とのこと。うれしさ半分、戸惑い半分が、そのときの偽らざる心境でした。
一緒に暮らしている妹は弱ってしまった母を家に置いて、これまでどおり仕事が続けられるかどうか不安でいっぱいでした。かといって、在宅で介護の支援を頼むのも無理と決め込んでいました。それは苦い経験があったからです。

■他人の世話には…
介護認定のためにケアマネジャーさんが自宅に来てくれたとき、母はきっぱりと「だれの助けもいりません。他人がこの家に上がり込むなんて嫌です。早く帰ってください。手すりなんかも必要ありません!」と険しい表情で言い放ったのです。「まるで別人のような怖い顔だった。家族以外の世話になるのは絶対に嫌なのね」と妹は話していました。
それなら仕方ないと、妹は母の昼食を用意し、会社に通っていました。「だけど夜玄関のドアを開けたらお母さんが倒れているかもしれないと怖くて…。電話して大丈夫か確かめたいけど、慌てて転ぶのではと心配でね」。実際数年前、玄関チャイムに出ようとした拍子に腕をドアにぶつけて骨折したことがありました。
退院後の母の世話が一番の課題となり、早急に対策を講じなければと、ケアマネジャーさんや友人・知人に相談を始めました。

編集委員橋本園子