• 最新情報
  • 習いごと

[2014/12/07]

歌の力① 緊急入院 初めての集中治療室 健康・医学

認知症 89 歳の母との日々

この記事をクリップする

  • 連載コラム

私の母は1924年(大正13年)生まれの89歳、数年前から認知症の症状が見られ、足腰も弱まって、 「要介護度2」と判定されていました。大量吐血して入院したの
は昨年秋。生命の危機を切り抜けて、再び自宅で元通りの生活ができるようになるまでの道のりは、ドラマチックなものでした。
「介護」の現実に直面し、右往左往しながら過ごした日々の記録を全10回の連載記事として掲載します。

■歌で取り戻した笑顔
父は10年前に亡くなり、母は二女である私の妹と2人暮らし。長女の私も時々様子を見に行ったり、料理を届けたりしていましたが、母の世話は主に、独身で会社勤めの妹がしていました。
その母は、退院後、持ち前の生命力に加えて、娘が何気なく試し始めた「音楽療法」によって、明るい笑顔を取り戻しました。
認知症が治ったわけではありませんが、状態は入院前よりも良く、穏やかな毎日を過ごして、妹の介護ストレスも軽減されているようです。

■明け方の救急病棟
「今は薬で眠っています。たくさんのチューブがつながっていますけど、驚かないでくださいね」 。救急病棟の看護師さんは集中治療室にいる母(当時88歳)のベッドへ案内してくれました。
夜中に吐血して救急搬送され、 鼻から、 口から、ほかにもいくつものチューブがつながれて眠る姿は、哀れというほかありません。
消化器系からの出血の場所を調べるための内視鏡検査の際に誤嚥性肺炎を起こし、 貧血がひどく、生命維持さえ危いレベルのため、輸血をしているとのこと。これまでにも入院したことは何度かありますが、集中治療室は初めてです。
主治医から「まずは肺炎の治療に全力を尽くします。しかし平均寿命を超える高齢ですから、若い人のような回復は見込めないでしょう。良くなったとしても元通りになることは望めず、認知症も進むかもしれません」と告げられました。
入院前、厳しい残暑のせいか、目に見えて元気がなくなり、立ち歩くのがつらそうで顔色も冴えなかった母。とうとう最悪の状況になってしまったと、重苦しい気持ちでいっぱいでした。

編集委員橋本園子