• 最新情報
  • 習いごと

[2014/12/14]

歌の力⑧ 毎日の歌で良い方向が見えてきた 健康・医学

認知症 89 歳の母との日々

この記事をクリップする

  • 連載コラム

毎日の歌を続けるうち、母の様子が着実に変化していきました。数年前はできたのに最近はできなくなってしまったことが再びできるようになるなど、良い方向に。
例えば、ごみの個別収集ネットを取り込む、郵便物や新聞を取ってくる、暗くなると玄関灯をつける、仏壇のお供えを下げる。そんなことが毎日普通にやってあるのを見ると、妹も私も大変驚きました。身びいきかもしれませんが、入院するより前の状態に戻っていると感じました。
その上、たまに洗濯物がきれいにたたんであったり、連絡ノートに新聞代の集金があったことが書かれていたり、格段にしっかりしてきました。
しかし、相変わらず3分前に聞いたことを忘れたり、キッチンばさみを探そうと冷蔵庫を開けて「ないわね」と不思議そうに言ったり、認知症の症状は続いています。でも、表情にメリハリが出て若返った印象さえ見られます。歌の効果は絶大でした。

■よみがえる思い出
私が幼稚園ぐらいのとき、父がマンドリンを弾きながら「山小舎の灯火」をよく歌ってくれました。当時は聞くだけだった母が、 「この歌大好き」と明るく力強く歌うのです。昔の思い出がよみがえっているようです。私も幼いころの楽しい時間を思い出しました。
この分なら昼間に家で一人で過ごすことは大丈夫、もしかしたらデイサービスにも通えるかもしれないと、かすかな希望が見えてきました。

編集委員橋本園子