• 最新情報
  • 習いごと

[2014/12/13]

歌の力⑦ 歌えば笑顔が取り戻せる! 健康・医学

認知症 89 歳の母との日々

この記事をクリップする

  • 連載コラム

退院後初めて、ふと思いついて母と歌を歌ってみました。私が以前に高齢者施設のボランティアで使った歌集を持ち出して、一緒に口ずさんでみたのです。 「夏の思い出」 「知床旅情」 「りんごの唄」 。みるみる母の顔がほころびました。
「楽しい!」と穏やかな笑顔を見せてくれたので妹も私も感激しました。感情表現が希薄になっていた母が、少しかすれた小さな声で歌う姿。退院後初めて見る母のうれしそうな顔でした。

■気持ちの変化
これまで、母の今後の行く先として、施設や老人ホームばかりに注目していた私の気持ちが変化していきました。それは妹も同じだったことでしょう。久しぶりに見る母の明るい表情に私たちも心が軽くなりました。
この日から、できるだけ毎日、一緒に歌を歌うと決めました。仕事から帰って夕食後の午後9時からが歌の時間です。母の好きな「みかんの花咲く丘」 「荒城の月」 「浜辺の歌」 「とおりゃんせ」 。次々に懐かしい歌を合唱します。1時間以上歌うこともあります。妹も一緒に歌ったり、キーボードで伴奏したり。
あるとき、 「手のひらを太陽に」を即席の振り付きで歌ってみました。そのときの弾けるような笑顔。すっかり童心にかえっているようでした。そんなに楽しいならもっと…といろいろな歌を試してみました。
そして徐々にデイサービスにも興味を持てるよう「昼間楽しく過ごせる場所が近くにあるのよ」と話してみました。

編集委員橋本園子